(1)鶴崎の「鶴」と「崎」の意味を、岩波書店の国語辞典で調べてみました。
@鶴(つる): つる科の鳥の総称。大形でくびと足が長く頭が小さい、わが国ではタンチョウヅルをさし、古来その姿の優美を賞し、また長寿の霊鳥とした。「鶴は千年、亀は万年」「鶴の一声」(みんながいやおうなしにそれに従う、有力者、権威者の一声)
A崎(さき): ・陸地が海や湖に突き出た所、みさき。 ・山が突き出た端。でばな。
(2)鶴崎の地名で一番有名なのが大分県の大分市の
鶴崎です。
(かっては鶴崎市であったが残念な事に昭和38年大分市と合併し目立たなくなってしまいました)
ここの鶴崎の由来は、東は大野川、西は大野川支流乙津川に接する地域。地名は大野川によって形成された、沖積地の津留の先端に由来する。
(3)鶴崎という地名は、他に佐賀県唐津市
宇木、鹿児島県桜島町
横山、倉敷市
茶屋町、長崎県
崎戸町、熊本県
牛深市牛深、鹿児島県
坊津町、福島県棚倉町寺山、愛知県旭町明賀、陸前高田市矢作(旧気仙郡
矢作村)、鹿児島県真孝、
山口県萩市須佐に鶴崎という地名があります。(ほか調査中)
また、福岡県小郡市
松崎という地名がありますが松崎は古くは鶴崎と呼ばれていたそうです。
(4)神社では、大分市鶴崎東鶴崎に
鶴崎大神宮、岡山県早見町に
鶴崎神社、千葉県安房郡鋸南町(キョナンマチ)に
鶴崎神社があります。この鋸南町の神社拝殿の天井には大絵馬「源義経弓流し図」があるそうです。
また、神奈川県の新横浜の
篠原八幡大神は昔、鶴崎八幡と称していたそうです。平塚市の豊田八幡宮も元は鶴崎山八幡宮(鶴崎八幡)と呼ばれていました。
秋田市には、
鶴ヶ崎神社というのがあります。
(5)城では、大分市の
鶴崎城に加え、岩手県陸前高田市島部にあるようです。別名「
矢作内館(鶴崎城)」と言い矢作玄蕃(奥州千葉一族)が築城。
また、青森県むつ市城ヶ崎という所に「鶴崎山順法寺城」という城跡があります。
ここは、南北朝時代、南朝方の護良親王の皇子(後の源良尹(ながただ))が居住したところです。
(6)鶴崎という地名は、鶴の飛来していた所から名前が付いたと思われます。
鶴がいる岬(崎)、鶴が先に見える、また大分の鶴崎のごとく鶴の頸ににた地形(ここにも鶴が飛来していた?)
*鶴(ナベツル)の越冬地はかって、西日本全域であったが、徳川幕府崩壊後、捕獲の禁令がとれ、乱獲が進み、絶滅の危機にまで陥っている。現在日本では、山口県の熊毛町八代盆地と鹿児島県の出水市(桜島近辺)の2ヶ所となってきています。